ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

日々の中で出会った映画・本・お店、演劇や物などを総合的に紹介する雑記ブログです。

演劇感想

劇団ジグザクバイト「漫豪ストレートMAX」感想

福岡の劇団「ジグザグバイト」の2024年春公演「漫豪ストレートMAX」の感想です。

舞台感想 劇団テンペスト藍色企画第2弾「どうしようもない」

福岡で舞台を観始めた頃は好きな女優を追いかけることばかり考えていた。それは今も変わってはいない。 好きな役者も増え、その人たちに会いに行くことは楽しみではあるのだが舞台を観に行く生活も3年に差し掛かると気持ちの方も落ち着いてくる。 ミーハーな…

舞台感想「大正くるま浪漫〜矢野倖一の挑戦〜」

「矢野特殊自動車」の創業者である矢野倖一(やのこういち)は福岡県の芦屋町の出身です。 矢野特殊自動車はタンクローリーなどの特殊車両を製造している会社ですが、その原点となったのは矢野倖一が作り上げたアロー号という車でした。 このアロー号は現存…

舞台『HANABI』感想 〜十朱柚花の笑顔は花火のように〜

※この記事は舞台『HANABI』のネタバレ」を含みます。 暑すぎる。 2023年の夏はこの一言に尽きます。毎日のように「全国で過去最高気温を観測!」なんてニュースを聞くと、本当にこの先どうなるのかと不安になりました。 なんせ普通に生活しているだけで、明…

演劇感想『小川夏鈴一人芝居企画』

はじめに 『小川夏鈴(おがわかりん)』さんという女優を知ったのは偶然でした。インスタグラムでフォローしている方の投稿を見て「こういう人が福岡にいるんだ」ということを知りました。 調べてみると、小川夏鈴さんは東京で活動されドラマ『相棒』にも出…

演劇感想 ナシカ座『バックヤード・マーチ』

演劇はもともと全く観ていなくて、人とのご縁で観に行きはじめたという経緯があります。 その中で色々と俳優さんを知っていくんですが、今回感想を書くナシカ座の『バックヤード・マーチ』もそんなご縁がきっかけで観に行った作品です。 舞台はスーパーのバ…

「りの! 可愛いよ窪津りの!」 ~舞台『三国志IF』感想~

(妙な胸騒ぎがするな・・・・・・) 1月の曇り空を見ながら私は思った。なぜそう思ったのかは自分でもわからない。 いつものように仕事を終えて車に乗る。遅いシフトの仕事は朝が楽な分、夜は帰りが遅い。慣れているとはいえ、毎日21時頃の帰宅にウンザリす…

舞台感想『キグルミオッカナイト』

orangecatblog.com 先日観劇した『控えめに言って、崖野は殺した方がいい』で、改めて俳優が演じる生の感情が舞台演劇の魅力だと感じた。 その感情が、思いっきり『笑い』というポジティブな方向に向けられた作品がこの記事で紹介する『キグルミオッカナイト…

舞台『控えめに言って、崖野は殺した方がいい』感想

※この記事には作品のネタバレを含みます。 「侑芽さんは舞台を観る時にどこを観ていますか?」 たまたま先日聞かれたのだが、その問に私はストーリーと答えた。 もちろんそれだけではないのだが、もともと映像作品や小説で育ってきたこともありストーリー性…

太陽を追いかけて 〜舞台演劇『妖怪事変』感想〜 その2

智尋さん、私は・・・・・・ 宴の終わりに 沈まない太陽 終わりに 前回の記事 orangecatblog.com 理解されること、人を信じること。 怖い。 例えば理解されたとして、わかってくれたと安心するよりも軽蔑されたんじゃないかと思う不安。 信じてもらえたとし…

太陽を追いかけて 〜舞台演劇『妖怪事変』感想〜 その1

前回の記事 orangecatblog.com 『妖怪事変』という作品 ストーリー 作品の魅力 ただ一つの夢 生涯唯一の脚本 ありふれた、どこにでもある話 本作が伝えたかったこと 孤独になる理由 誰も死なない物語 「猫娘可愛い!」 『妖怪事変』という作品 ストーリー 【…

太陽を追いかけて 〜舞台演劇『妖怪事変』感想〜 序章

はじめに 私と今中智尋 出会い、それからの日々 広がる出会い 人生を閉ざすことだけが得意な愚か者 そして妖怪事変へ はじめに 劇団テンペストの舞台演劇『妖怪事変』の感想を書くにあたり、最初に記さなければならないことがある。 本作に関してはさまざま…

『Last Moment 〜福岡で最後に贈る、ありがとう』感想

2020年から続くコロナ禍もようやく終わりが見えてきた。 実際のところ、これで終わりのような空気が漂っていることに疑問を感じる点もあるがライブでの声出しが解禁されるなど、比較的コロナ以前の日常が戻りつつある。 舞台『Last Moment 〜福岡で最後に贈…

舞台『Thank U Next』感想 ~いわない優しさ、いう優しさを描いた超傑作~

※この記事は作品のネタバレを含みます。 最近はほぼメイドカフェのメイドの想い出と舞台観劇の感想で占められるようになったこのブログ。 とはいっても実際のところは観劇した舞台の数はさほどでもなく、まして福岡以外の演劇を観たことがないので作品を適切…

劇団テンペスト『体温』感想

行動した結果何かが終わってしまったとする。 その先に待つ新しい日々を怖いと思う自分がいる。 人生は前に進むと頭では理解していても、居心地のいい今に留まりたいと思う心情。 「今が変わってしまうことが怖い」 口に出さないだけでその気持を抱えている…

感情そして哲学 ~舞台『新選組ロッケンロール熱血編』感想~

『エンタメの感想を書く』という行為は恋愛のようなものだ。 なぜなら感想のもとになる感情をいくら追求しようとも、最終的に行き着くのは理屈のない感情だからである。 どれだけ誰かを愛した理由を考えても、何となくその人のことを良いと思ったから愛した…

演劇『極楽こたつ』感想

福岡という街が、演劇活動が盛んな土地であると知ったのは最近のこと。 たくさんの劇団とたくさんの演者たち。 役者、モデル、アイドル、パフォーマー、芸人・・・・・・ 経験も経歴も異なる多くの人たちが1つの場所に集い、互いの全力をぶつけ合いながら作…

音楽劇『三人姉妹』感想 ~『愛と青春のふる~れ』で初観劇~

福岡市東区に『愛と青春のふる~れ』というシアターカフェがある。 九州を拠点に舞台女優として活動し、長い芸歴の中で全国で公演も行った玄海椿さんが店主を務めるお店だ。 ここでは玄海さんがプロデュースする公演が行われており、俳優だけでなくアイドル…

舞台『忍』感想 〜女優・窪津りのが表現した愛〜

はじめに 『忍』あらすじ 章立ての物語の面白さ キャラクターたちの中心 なぜ本作にヒロインが必要だったか 傀儡(くぐつ)役 今中智尋の表現する愛 終わりに はじめに 世界はそんなに狭くない、人と繋がれば繋がった分だけ、世界はもっと素敵に無限に広がっ…

『最後は笑って』感想 ~初めてナシカ座の芝居を観た私に化学反応はどう映ったか~

ナシカ座との出会い あらすじ 感想 化学反応の魅力 ナシカ座との出会い 福岡の劇団『ナシカ座』を知ったのは4年前、『九州コミティア』という同人誌即売会でのこと。 さまざまなブースの中でナシカ座のコーナーがあり、小さな舞台上で2名の俳優による短い芝…

『ララ・バイ』と井上敏樹脚本 ~最後に残るのは普通の人~

※この記事は作品のネタバレを含みます 2022年のスーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が面白い。 その理由は何といってもキャラクターの個性の強さに尽きる。前作の『機界戦隊ゼンカイジャー』においても個性豊かなキャラクターたちが作品を盛り…

九州戦風カミカゼバイト感想 〜ヒーロー物の新しい形〜

すっごい面白かった!!!観に行けて良かった~!!!27日まで公演中!!お芝居好き、ヒーロー好きは是非見て欲しい!!笑って泣いて熱くてマスクがびっしょりやで!!#カミカゼバイト2021#劇団ZIGZAGBITE pic.twitter.com/pjWy443fdX — 天元の勇者 エルブレ…

「LEGENDARY 桃源郷」感想 〜英雄・今中智尋〜

「桃太郎」の物語には様々な種類がある。 芥川龍之介が独自の解釈で記した「桃太郎」や、解釈を広げれば人気ゲーム「桃太郎電鉄」もそうだろう。 ウルトラマンシリーズの一つ「ウルトラマンタロウ」は現代のおとぎ話として製作された。 ヒーローのウルトラマ…

『AND TO THE LEGENDARY 陰陽道』感想 ~女優・今中智尋は孫悟空である~

2021年のスーパー戦隊シリーズ最新作「機界戦隊ゼンカイジャー」は、斬新なメンバー構成で話題を読んでいる。 五人のメンバーで人間は一人だけ。後の四人は機械生命体なのだ。 もちろん四人にはそれぞれ性格も人格もあるが、長い歴史の中でメンバーが常に人…