ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

日々の中で出会った映画・本・お店、演劇や物などを総合的に紹介する雑記ブログです。

読書

『森のシェフぶたぶた』感想

矢崎存美さんの小説『ぶたぶたシリーズ』が好きです。 このシリーズとの出会いは確か図書館のコーナーで特集が組まれていたことだったと思うのですが、『ぶたぶた』という聞き慣れない言葉に興味を惹かれました。 あと置いてあった作品の表紙を一通り見た時…

小説『絶叫』感想 〜『ジョーカー』に共通する『生』の肯定〜

葉真中顕の小説『絶叫』を知ったのはメイドカフェだった。 そこで働くメイドの女の子と本の話になり、お勧めの作品として教えてもらったのが本作である。 申し訳ないことに教えてもらってから読むまでかなり時間がかかってしまったが、いざ読み始めるとペー…

絵本『あばれネコ』紹介 ~勢いが心地よいコミュニケーション絵本~

姪っ子が生まれて以来よく絵本をプレゼントしています。 近年は『大人も楽しめる絵本』といった言葉をよく聞きますが、本屋に行く度に実に様々な絵本があることに驚かされました。 色々な絵本を見てみることは楽しいです。 今回ご紹介する『あばれネコ』も本…

『過狩り狩り』感想 ~鬼滅の刃の源流を求めて~

『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴先生。 吾峠呼先生は、鬼滅の刃を連載される前に四本の読み切り作品を描かれていました。 『吾峠呼世晴短編集』は、その四本の作品を収録した本です。 それぞれの作品が独自の魅力を放つものであると同時に、一作一作に鬼滅の…

漫画「神の獣」紹介と感想(ネタバレ有) 怪獣ファンへの注射

こんにちは、管理人の侑芽です。 私が一番好きな特撮作品「ウルトラマンG(グレート)」。その最終回前後編は、環境破壊を続ける人類を滅ぼすために地球がコダラーとシラリーという伝説二大怪獣を出現させる…… という内容でした。 最終的にコダラーは人類に…

「夏への扉」紹介 映画化も決まったSFの古典 普遍のテーマ

こんにちは、管理人の侑芽です。 2021年に山﨑賢人さん出演で映画化が決まった「夏への扉」。 原作は古典SFの名作と呼ばれていますが、古い作品故に読んだことのない方も多いでしょう。 本作は「タイムトラベル」を題材に描かれた小説です。 「ドラえもん」…

漫画「YABAI」が面白くてヤバイ 悪の秘密結社ヤバイ仮面の光と影の物語

こんにちは。管理人の侑芽です。毎週楽しみにしている「ドゲンジャーズ」もいよいよ終盤ですね。 本当に終わるのが寂しくて、早くも私の中では2020年ベストコンテンツ1位になっております。 2020年4月から放送され、福岡県内のみならずネットで高い人気を会…

本感想「モテ期は月に一度やってくる。」女性へモテるアドバイスできたら格好いい

はじめに 読書会に参加した時に紹介され、気になった本。 唐突ですが、私はよくコンセプトカフェに行きます。 長く通っていたらキャストさんに何かできることないかと考えるようになりました。 といっても、自分にできることは本や映画の紹介くらいです。 そ…

閉塞感の中で「ジェダイの哲学」を

スター・ウォーズ ジェダイの哲学 :フォースの導きで運命を全うせよ スターウォーズで語られているジェダイの台詞。 そこから考えられることを人生に活かせるよう解釈し解説した本は多く存在する。 それらの全てを読んだわけではないが、今回紹介する「ジェ…

坂田ミギー「旅がなければ死んでいた」感想 幸せのヒントを探して

旅がなければ死んでいた 未だに海外には行ったことありません。 行きたいとは思いますが正直恐いです。 それでも、やっぱり憧れますね。 だから旅行記や旅に関するエッセイを読むのが好きなんですよ。 今回紹介する「旅がなければ死んでいた」は大爆笑必須の…

「江頭2:50のエィガ批評宣言」映画を観る基準を持つための手引き

「1クールのレギュラーより1回の伝説」 というモットーで、破天荒な芸風が売りの江頭2:50さん。 最近はユーチューバーとしても活躍されており、ご存知の方も多いでしょう。 一方で、実は大の映画好きの一面もある江頭さん。 そんな江頭さんが映画に対する思…

小説「リズム」は作品が一つの曲

音楽を題材にした小説って、作品自体から曲が聴こえてくるような感覚になる時があります。 私の場合は宮下奈都先生の「羊と鋼の森」を読んだ時その感覚になりました。 森絵都先生の小説「リズム」は作品自体が青春ソングです。 大袈裟な部分は一切無くて、素…

「テセウスの船」1巻 魅力を考察 無料で読む方法も

2020年1月から3月までドラマ版が放送され大きな話題を呼んだ「テセウスの船」。 謎が謎を呼ぶ展開と毎週ラストの強烈な引き、人間の恐ろしさと家族の温かさが魅力的でした。 すでに放送は終了してしまいましたが、原作の漫画はまだ読んでないという方もいる…

「罪なき私」感想 ネタバレありで作品の魅力と罪の意味を考える

「『死にたい』と思ったことはあるか?」 そう聞かれれば私は迷わず「はい」と答えます。 では「『生きたい』と思ったことはあるか?」 と聞かれたら答えに迷ってしまいます。 自分が今ここに生きていることは凄く当たり前のことで、それはきっと明日も同じ…

「ジョジョの奇妙な冒険第一部・ファントムブラッド」 ホラーの意味と黄金の精神について ジョジョに通じる映画も  

個人的なことで恐縮ですが、近場でジョジョ関連のイベントが開催され行ってきました。まるで虹の中にでも入り込んだような強烈な色・色・色の連続! もともとコミックの表紙やアニメなどでカラーの絵を見てはいたんですがやはり大迫力でした。 ジョジョとの…

私は小説「GODZILLA 怪獣黙示録」を何故面白いと思ったか

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「ウルトラマンになった男」最初のウルトラマン古谷敏さん

特撮番組の主役は誰か? 現在放送中の仮面ライダーゼロワンなら飛電或人となるだろうし、リュウソウジャーならリュウソウレッド=コウと答える人もいるだろう。 あるいは自分の推しキャラこそ主役と考えている人もいることだろう。 色々な考えがあっていいと…

「鬼滅の刃」第一巻感想 炭治郎、絶望からの旅立ち

アニメ化をきっかけに、一躍メジャーコンテンツに躍り出た鬼滅の刃。私もアニメをきっかけにこの作品を知り電子書籍で全巻購入しました。 いやあ…… 面白い! 涙あり笑いありグロあり熱血ありで物語の密度がとにかく濃い。 ジャンル的にはファンタジーになるの…

小説「大脱走」 ほどよい無気力で生きるのもよし

タイトルから、刑務所かどっかから脱獄する話なのかと思って手に取りました。 はて?描かれているのはスーツ姿のサラリーマン。これのどこに脱走の要素があるのか…… 毎日毎日安月給で働いている身で、理不尽なことに耐えられなくなることが誰にもあると思いま…

悠木シュン「背中、押してやろうか?」悪意無き羽ばたきが壊す日常

何気なく発した一言が巡り巡って思いもよらぬ形で伝わり自分自身に不合理な形で跳ね返ってくる。 そんな経験がないだろうか? 自分ではそんなつもりじゃなかった、意図していなかったといくら訴えても起こってしまったことは変えられない。 その事実を突きつ…

『優しい死神の飼い方』感想、4つのエレメントが魅了する奇跡の物語

密かに開設した後しばらく手付かずだったブログですが、作った以上はやりきる精神で令和二年は本格的に書いていきたいと思います。 と言っても、まだまだ機能面などわからないことも多いので改良と勉強を重ねながらやっていきたく思います。 さて、今回は『…