ネコはミカン片手に夜明けを待つ

日々の中で出会った映画・本・お店などのエンタメを紹介する雑記ブログです。小説やウルトラマンをはじめとした特撮を中心に運営中。

坂田ミギー「旅がなければ死んでいた」感想 幸せのヒントを探して


旅がなければ死んでいた

未だに海外には行ったことありません。

行きたいとは思いますが正直恐いです。

それでも、やっぱり憧れますね。

だから旅行記や旅に関するエッセイを読むのが好きなんですよ。

今回紹介する「旅がなければ死んでいた」は大爆笑必須の旅に書かれた本です。

それだけに止まらず、幸せを考えるヒントがたくさん詰まっています。

家にいる時間が多いこの時期、本を読んで世界を巡る旅を体験してみませんか。

書籍情報

タイトル:旅がなければ死んでいた
出版社:KKベストセラーズ
発売日:2019/7/1
作者:坂田ミギー
旅マニア / エッセイスト /クリエイティブディレクター
福岡県出身。大学時代から世界を旅する旅マニア。
全力で働く日々の中で過労と失恋でこのままでは死ぬことに気づき世界一周へ。
現在はキャンピングガーをオフィスに日本各地を旅しながら働いている。
公式ブログ「世界を旅するラブレター」https://ameblo.jp/migilog/
公式Twitter https://twitter.com/migimagari

あらすじ

30歳を過ぎて全力で働き続けてきたミギーさんはある日体を壊してしまう。

幸せになるために働いていたはずが、現実は真逆。

これまでの価値観を変えるために世界を巡る旅に出る決意をする。

旅に出る直前で恋人の浮気が原因で失恋。

そのショックを抱えたままの旅立ち。

馬に乗ればお尻が痛くなり、部屋を世話してもらえば世話してくれた人がヌーディストだったりと様々な目に遭いながらミギーさんは幸せについて考えていく……

感想

自分は旅の本の楽しみに「どれだけぶっ飛んだ人が出てくるか」っていうのがあるんです。

自分の価値観と照らし合わせてどれだけぶっ飛んでいるか。

海外の俳優とかミュージャンとか、物凄く癖のある人はたくさんいるんですよ。

でも、やっぱり一般の人でぶっ飛んでる人のほうが親近感が湧きます。自分の立場に近いから。

そして、そういう人達に自分の価値観を変える「世界の広さ」を感じるんです。

この本にはそういう人がたくさん出てきて凄く面白い。

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例えばギリシャのガヴドス島。

凄く綺麗なビーチのある島でそこではみんな全裸

そこだと服を着てる方が異端なんです。

で、男性がフランクに女性にそういうことをお誘いしてくることもあるみたいです。

でもあんまり嫌らしい感じじゃなくて多くの人が裸でも自由に穏やかに過ごしている。

ずっと日本にいると考えられないことですよね。

インドの警官も凄い。

とにかく腐敗していて押収した物を公衆の面前で吸い始める。

しかもそれをミギーさんに薦めてくるっていうね。

悪徳警官が横領する場面は映画やドラマで見たことあるけど、人前で堂々と吸うなんてちょっと思いつかない。

現実が空想を越えてるんだと思いました。

自分が最高に好きなくだりがブラジルのアルトパライソの話。

UFOの目撃がとても多い街・アルトパライソ。

日本に住むブラジル人の友人の紹介で、友人の従兄の家に泊めてもらうことになったミギーさん。

翌朝トイレに行こうと従兄の側を通りかかった時に見たのは‥‥‥ 全裸で寝てる従兄。

一旦離れた後、再度従兄の所に行ってみる。

すると彼は、全裸で椅子に座っていた。

実はぼく、全裸主義者なんだよ

引用:旅がなければ死んでいた/KKベストセラーズ

‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥

ええっと、この流れ付いてこれます?

一気に「ガハハ」と笑うんじゃなくて、何か一回本を閉じた後にじわじわと来るようなこの感じ。

例えるな芸人のヒロシさんのネタみたいな感覚です(上手い例えかわからないけど)。

ヒロシさんのネタって派手な動きはありません。

だけど一言でクスって笑えるし、あとでその一言を思い出してまた笑える。

そういう、こみ上げる感じのこのくだりが最高に好きですね。

本当にね、色々な人がいるんだなと思うんですよ。

勿論、日本の中でも色々な人はいますよ。

だけどそれって日本のルールに当てはめた中での感覚なんですよ。

「世界まる見え!テレビ特捜部」とかで馬鹿なことにチャレンジしてる世界の人が紹介されます。

ああいうのが本当好きです。

笑う映像でも「ああ、こんなことやってる人もいるんだな」っていう世界レベルの感覚に触れると小さな悩みなんかどうでもよくなってきます。

世界の広さと人間の広さは直結する。それがこの本を読んで感じたことです。

幸せのヒント

ミギーさんが旅に出たのは、「生きづらさの原因」を探すためでした。

そして旅の中で様々な価値観に出会います。

「生きづらさ」‥‥‥ 今の時代と切っても切り離せない問題。

それを抱えている人は多いのではないでしょうか。自分もそうです。

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ネパールのムスタン。標高4000mに位置する首都ローマンタン。

そこにある少年僧学校の校長がミギーさんに次のように話します。

欲は尽きないものであること。たとえば、より良い異性を追い求める人は、何人の異性をモノにしてもその気持ちに終わりがないこと。それは、愛ではなくて、欲でしかないこと。

引用:旅がなければ死んでいた/KKベストセラーズ

欲を無くすことは難しいと答えるミギーさんに、校長はさらにこう伝えます。

1日2回、「自分の人生」について考えてみてください。長い時間でなくていいんです。「自分にとって、よく生きる」とは何か。「あなたの本当の成功」とは何か。毎日考えてみてください。それだけです。

引用:旅がなければ死んでいた/KKベストセラーズ

お金、恋人、名誉、地位、家族‥‥‥ 人によってよく生きた証や成功の証は様々でしょう。

自分が望むものは本当に自分が望んでいるものなのか。

小さい頃から繰り返し繰り返し刷り込まれてきた「幸せとされるもの」を自分の望みと思い込んではいないだろうか。

答えは自分で探すしかありません。

それには考え続けていくことが大切なのだと感じます。

ケニアのナイロビ。スラム街育ったマサイの絵描き・アシフ。

スラム外の子ども達に絵を教えるアシフはこう語ります。

だってさ、希望を生み出せなかったら生きていけないじゃない。自分に希望がないと、「他人の希望を奪うこと」に心が向かっていくんだよね。

引用:旅がなければ死んでいた/KKベストセラーズ

生まれる場所は選べない。起こってしまったことは変えられない。

だけど私たちは、それを変えたいがために他人を屈服させたいと思う。

誰かを見返して、誰かを跪かせて、誰かから何かを奪って‥‥‥

でも、それは希望と呼べるものなのか。

奪うだけで与えるものの無い人生。それは生きているといえるのか。

この他にもたくさんの人の言葉がこの本には登場します。

最終的な幸せは自分で選ぶしかないけど、色々な国でクラス人の幸せの考えを読むことは必ず自分の人生を考えるヒントになるはずです。

まるで映画のようなラスト

多くの国を旅したミギーさん。

最後にとても親切な人と出会います。

その人との出会いが素敵なラストに繋がりますがそれは是非ご自身でご覧ください。

一つ感じたのが、まるで一本の映画を観た後のような感覚です。

それもとびきりのポジティブなストーリー。

読んだ後は明るくなれる素敵な本です。

ミギーさんが出会った人の言葉がこの本で私に伝わったように、このブログでいつか誰かにミギーさんのこの本が誰かに伝わったらいいなと思います。