「面倒くさい」
将来を考えていた人から言われた別れ際の最後の言葉。
既に気持ちは壊れていた。未練などないと思っていた。
だが、それはただの妄想だ。
残ったのは悲しみ、絶望、怒り‥‥‥ そして過ごした日々への消えない思い。
坂元ルナさんの最初のミニアルバム「Life」は切ない恋の気持ちを全力で歌った力作だ。
全力といっても、ただ明日への決意を叫ぶ内容ではない。
踏み出したいのにまだ忘れることができない一番辛い時期の気持ち。
向き合うのが恐くなる時期の気持ちを時に激しく、時に静かに歌い上げている。
Lifeは、これから羽ばたこうとする彼女の決意が感じられるものになっていた。
アーティスト紹介
アーティスト名:坂元ルナ
出身地:鹿児島県
公式サイト:https://sakamoto-runa.amebaownd.com/
公式Twitter:https://twitter.com/pin21xx
公式チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCRmwKNueXloQpi0hEuO04PA
6歳からピアノを始め、音楽に目覚め吹奏楽部に入部。トランペットを約8年続け、音楽知識をさらに深める。とあるガールズバンドに影響を受け、初めてギターを手に取ったのは15歳。弦が何本あるのかも分からないゼロからのスタート、独学でギターを学び始める。16歳からギターボーカルとしてバンドを始め、数多くのライブに出演。リードギターやベースとしてもバンドに所属。現在、弾き語りで福岡、地元の鹿児島を拠点にソロ活動中。
引用:坂元ルナ OFFICIAL WEB SITE
収録曲紹介
1.your side
記念すべき最初の一曲。
愛する人のために精一杯尽力した少女の気持ちが歌われている。
力強いサウンドが、戻らない恋人への強い思いを聴く者に訴えかけてくる。
まるで、涙を流しながら愛した人を見つめる少女の姿が思い浮かぶようだ。
これは、愛する人を思うあまり相手を傷つけた経験のある者の心に特に響く歌だと思う。
飾った部分のないストレートな言葉が、ルナさんの力強い声にのって胸を撃つ。
あと確かに失恋の歌ではあるが、個人的に人気俳優が出演するハードな刑事ドラマのEDで流れても違和感がないと思う。
最初にしてとても好きな曲だ。
2.チョコレート
your sideとは一転して静かに歌われる曲。
思い浮かぶ景色はyour sideの少女から少し時間を重ね成長した女性の姿。
タイトルのチョコレートは二人で過ごした日常を象徴するもの。
特別なものではないチョコレートの存在が、今では愛した人の忘れられない思い出になっている。
大切な思い出は特別なこと以上に、何気ない普通の日々の中にある。
それももう思い出でしかないことを、繊細な歌声で歌い上げた一曲。
your sideと対比になり、ルナさんの声の魅力をチョコレートをゆっくり味わうように感じられる。
3.スポットライト
Lifeの中で、唯一恋の歌ではない曲。
浮かぶ情景はこれから世の中に出る決意を固める少女の姿。
ロック調の曲で収録曲の中で一番前向きな歌。
スポットライトで照らされる心境を描けるのはアーティストとして活動するルナさんならではだろう。
過去の傷を振り切る思い切りの良い歌詞も、若さ溢れるルナさん本人とマッチしていて心地いい。
明日への活力になる一曲。
4.still
Lifeのラストは失恋の思いをバラード調に歌い上げたstill。
まるで映画のEDのようなスケールを感じさせる曲だ。
浮かぶ情景は、まだ大人になりきれない女性の姿。
わりきることのできない気持ちが、愛情の深さと切なさ表現している。
「それ以上は君が傷つく、やめるんだ」とアドバイスもできるだろう。
だが、本当に心を込めた恋は簡単に諦めきれるものではない。
遠い昔に忘れてしまった気持ちを思い出させてくれる一曲。
出会った日のこと
仕事が終わり、馴染みの店で一服した後に福岡市中央区天神の警固公園を通りかかった。
その日も、何人かのシンガーソングライターらしき人達の姿が見える。
特撮の歌や劇半しか聴かなかった私だが、色々と縁あって街で歌っている人の歌を聴くことをその頃はやっていた。
「今日はこの人の歌を聴いてみよう」
視線の先には一人の女性シンガーがいた。
どうやら上手く危機の設定ができず慌てているようだ。
「可愛いな」
その様子を見た通りすがりの若者が隣を行く友人に話しかける。
準備を終えて歌が始まった。
力強い歌声だった。
小柄な体のどこにこんな声を出せる力が詰まっているのだろう。
曲が終わるまでその場でずっと聴いていた。
歌が終わり話しかけてみる。
鹿児島の出身であること。今は福岡に住んでいること。ソロ活動の他にバンドのボーカルとしても活動していることを話してくれた。
CDはあるかと聞くとミニアルバム「Life」を手渡してくれた。
いきなり色々話しかけて、それに笑顔で対応してくれてありがたいし嬉しい。
これが坂元ルナさんとの出会いだ。
なかなか活動を見に行けなかったが、一度博多駅にあるスタジオでラジオ出演をするルナさんを見に行った。
彼女の歌声が電波に乗って響き渡る瞬間を見れて良かったと思う。
「ルナ」とはローマ神話の月の女神のことらしい。
彼女の歌は暗闇の中で私たちを照らす月の光のように、聴く者の心に静かに優く寄り添うだろう。
これからの活躍が期待されるルナさんの歌に、耳を傾けてみませんか。
陰ながらルナさんを応援します。