ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

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『ザ☆ウルトラマン』第48話感想 

 「お前その姿でどうやってあのガスの中を来たんだ?」

放送情報
タイトル:「ウルトラの星へ!! 第2部 前線基地撃滅」
放送日:1980年3月12日
脚本:吉川惣司

感想
土星の衛星、タイターン基地に攻撃を仕掛けようとする科学警備隊。

しかし、深い霧に包まれたタイターン基地への攻撃は難しい。

そこでアミアが基地に潜入する作戦を立てる。

そのパートナーに選ばれたのはヒカリ。

ゴンドウの意図が明白な組み合わせだ。

腹を立てたマルメ隊員がスペースバーディーに忍び込む。

はっきり言って、ヒカリの謎の行動を突き止めたいという行動理由は身勝手すぎる。

基本悪い人ではないのだがトラブルメーカーだ。

ヒカリと出撃できることが嬉しいアミアの笑顔が本当に可愛い。

何故自分が選ばれたのかを疑問に思うヒカリ。

アミアはゴンドウがヒカリの秘密に気づいたのかもと口にする。

正解だが、作戦の成功を握る大事な人事なので、単にゴンドウも好奇心から選んだのではない。

ヘラー軍団の基地まで変身して向かう二人。

変身をこういう目的のために使う描写をあっさりできるのもアニメの強みだ。

着陸時の気絶から目覚めて一瞬で見つかるマルメ。

そうとは気づかず基地に潜入するヒカリとアミア。

ウルトラマンがエレベーターに乗る絵もこれ以前の話で描かれたとはいえ、やはり新鮮だ。

途中で基地内で待機する合成怪獣ヘラ・ウマーヤ登場。

しかし合成とは何を混ぜて作った怪獣だろうか。

ヘラー軍団に見つかる二人だがマルメに助けられる。

「助かりました」と責めるでもなく礼を言うヒカリ。人間が出来ている。

宇宙服を着っぱなしのマルメに基地内は空気があることを伝えるヒカリ。

普通の隊員服姿のヒカリを見て、マルメは不思議に思う。

巨大な穴に追いつめられる三人。目の前にヘラ・ウマーヤが出現。

恐怖で銃を構えるマルメを怪獣を刺激しないように止めるヒカリ。

しかし誤ってマルメの銃がヒカリを傷つけ穴に落としてしまう。

おい、大問題だぞこれは。

ヒカリはウルトラマンに変身し難を逃れ、ヘラ・ウマーヤと対峙。

マルメとアミアは捕らえられヘラー艦隊の出撃が間近に迫る。

ウルトラマンも肩が不調で力が出せない。

その様子を見たマルメはもしやと思うが、少しはヒカリのことを気がけてやって欲しい。

ウルトラマンの光線で基地の場所を知るウルトリア。

そこにエレクからの連絡が入る。ウルトラの艦隊は土星の環の中に隠れていた。

基地への総攻撃の中、ジョーニアスの加勢に入るエレクとロト。ジョーニアスはアミアとマルメの救出に向かう。

ヘラ・ウマーヤの出番はここまで。エレクとロトに倒されたことは明らかだが、ウルトラマンの番組なのだから倒すシーンは入れて欲しかった。

マルメは助かったがアミアはU40に連れ去られてしまう。

潔く敗北を認める基地司令ロイガー。悪に堕ちたとはいえこの潔さは流石ウルトラ人といったところか。

戦闘が終わりウルトリアに帰還したヒカリとマルメ。

「今回は忘れてやるが二度と勝手なことをするな」とマルメに釘を刺すゴンドウ。

マルメの行動は物凄い命令違反だと思うのだが…… 今はそんなことに拘っている場合でもないのだろう。

しかし、マルメからヒカリへの謝罪もないのは見ていてきつい。

ウルトラの戦士達との対面を経てU40に向かう科学警備隊。

いよいよ防衛チームがウルトラの星に乗り込む。

よく語られるようにザ☆ウルトラマンの魅力は地球外まで話を広げたスケール感だ。

それを主人公だけの話にせず、科学警備隊の話にまで広げたことに最終章の意義がある。

それにしても、マルメのキャラクターもアニメだから描けたものだ。

帰ってきたウルトラマンの岸田隊員も、ウルトラマンAの山中隊員も最初は郷秀樹や北斗星司に厳しかったが最終的に良き理解者となっている。

マルメを実写の俳優がやっていたら、その俳優の顔立ちや雰囲気にマルメのイメージが引きずられてしまったかもしれない。

マルメが最後までヒカリの批判者であり続けられたのはそういう俳優のイメージから解放されているからだろう。

憎まれ役かもしれないが、マルメもまた今までのシリーズにいなかった挑戦的なキャラクターだ。