ネコはミカン片手に夜明けを待つ

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超獣戦隊ライブマン第7、第8話感想 映画好きがお得に見る方法も

第7話 作品情報

超獣戦隊ライブマン
第7話『恐竜VSライブロボ』

放送日:1988年4月9日
監督:東條昭平
脚本:曽田博久

登場怪人:恐竜ゴン

あらすじ

恐竜ゴンを巨大化させ、街で暴れさせようとするボルト。

勇介達は現代社会に行き場のないゴンを救いたと考えるが……

感想

恐竜ゴンを巡る前後編の後編。ネタバレになるが切ないエピソードだった。

同時に今回は、海賊戦隊ゴーカイジャー第30話「友の魂だけでもに繋がる重要な要素を含む。

恐竜ゴンをどうするのかとマゼンダ達に尋ねられるオブラー。それに対して巨大化させると答える。

ケンプによると、ギガファントムで巨大化できるのは頭脳獣だけとのこと。

実験計画書をビアスに見せるオブラー。

きちんと計画書を製作して指導教官(?)に伺いを立てる描写が科学者らしくていい。

こういう演出があると、作戦立案にリアリティが感じられる。

ゴンと逃亡した健一少年。夜になり、洞窟で二人は一夜を明かす。

祖父はいるが、両親がいない自分は孤独だとゴンに語る。

想像するに、健一少年にとってゴンは友人であると同時に親代わりの心の拠り所なのだろう。

翌朝、健一を残し家畜の豚を襲撃するゴン。

「何だお前は!」と飼い主が挑みかかる。怯まずに挑みかかるとは勇気ある飼い主だ。

そこに健一の祖父と勇介達が到着する。ゴンの野性が出てしまったと推測する勇介。

丈の尻に噛みついたゴンを思い出し、丈を囮にゴンを捕まえる。

このシーンも前回に続いてコミカル。丈はトラウマになっているようだ。

シリアスな話ではあるが、それだけに終わらせないスタッフのサービス精神を感じる。

だがこういう演出があるから今後の展開が切ない。

ゴンをこれからどうするか話し合う勇介達。

もう過去に戻すこともできなければ、豚を毎日食べさせるわけにもいかない。

健一は、行き場のないゴンを自分が手にかけると祖父の猟銃を奪い取る。しかし、ゴンの涙を見て撃つことができない。

悲しみにくれる健一を慰める勇介。

友を手にかけるなら自分の手でと鬼気迫る健一の姿は、子ども向け番組の枠を超えていると感じた。

この健一の姿に重なる存在がいる。「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイブルー・ジョーだ。

改造され敵となってしまった先輩との戦いに悩むジョー。

彼に「友の魂だけでも救え」と喝を入れたのは他でもないイエローライオン・大原丈だった。

恐竜の鳴き声を使ってゴンを誘い出すケンプ達。

戦闘中に美獣ケンプの技「ビューティフルレインボー」が披露される。

名前とは逆に虹から雷が出て攻撃する技。やはりケンプは意地が悪いようだ。

ついにギガファントムで巨大化してしまうゴン。

ライブマンはマシンバッファローを呼ぶ。「空に鳥」「大地に獣」「海に魚」ではじまるライブマンの台詞。

星博士の死、さらにゴンの悲劇を経てライブマンは友を殺された復讐から命を守る戦士として決意を固めたことを象徴するシーン。

第1話から連投だった脚本の曽田氏が、作品の一区切りとしてこの展開を創造したのだろう。

とても一貫性のある展開で熱い。

ライブロボとゴンが戦闘に突入。

結果的にオブラーが持っていた装置を破壊することでゴンは元に戻るが、無理な巨大化の影響でゴンは命を落とす。

ゴンの墓に涙を流す健一の姿で今話は幕を閉じる。

あまり見られない戦隊ロボと恐竜(怪獣)のバトルが見られたのは面白かった。

今回の前後編はサービス精神とシリアスさ、ライブマンのテーマ性が見事に融合した名作だった。

ゴンを手にかけようとした健一の覚悟を見て、ライブマンもまた友と戦う自分達の覚悟を強めたのだと思う。

改めてライブマンを見直し、こうした一話一話の積み重ねがきちんと行われていたことに気づかされた。

ゴーカイジャーのライブマンレジェンド回の原点は今話にある

第8話 作品情報

超獣戦隊ライブマン
第8話『愛と怒りの決闘!』

放送日:1988年4月16日
監督:長石多可男
脚本:藤井邦夫

登場怪人:イカリヅノー

あらすじ

人間の怒りを吸い取るイカリヅノーを操るケンプ。

怒りを燃やさなければ戦えないライブマンは苦戦を強いられる。

感想

ライブマン初参加となる藤井邦夫氏が脚本を担当したエピソード。

戦隊シリーズでは「超電子バイオマン」から参加され、サブライターとして「光戦隊マスクマン」まで参加し後引き続き今作への参加となる。

ライブマンの前年に放送された「超人機メタルダー」では、弱いながらも恋人のため出世を夢見てメタルダーと戦うヘドグロスの話を執筆。

ネロス帝国のドラマを盛り立てることに貢献された。

さらに、メインライターである高久進氏に代わり最終回2話を担当。

人間社会から去っていくメタルダーの姿がとても印象的だった。

冒頭、ボルトに勝つためにめぐみの指示で訓練をする勇介と丈。

その内容が何と「1分以内にクリアしないと爆発する迷路を抜けること!」。

とんでもないことを考えるなあ‥‥‥

三人のキャラクターもコミカルさが増し、そのノリはどちらかというと近年の戦隊に近い。

中でも大声を出して二人に発破をかけるめぐみの姿は新鮮だ。

都会のストレスへ怒る人間の姿をガッシュに見せるケンプ。

その怒りからイカリヅノーを誕生させるガッシュ。今回の作戦目的は、怒りの心を吸い取り人間を無気力にすること。

さらに、吸い取った怒りでイカリヅノーを強化しライブマンと戦わせること。

この一連の場面、今までで一番ガッシュがよく喋る。というか、まともなガッシュの会話は今回がはじめてだ。

メイン脚本の曽田氏がライブマンとボルト三幹部の描写に力を注いでいたので、藤井氏は脇を固めるガッシュに注目したのかもしれない。

特訓から逃げ出す勇介と丈に怒るめぐみ。その怒りに注目するビアスはイカリヅノーを差し向ける。

ビアスがライブマンの個人に言及するのは今回が初。

ここでも、曽田氏とはまた違う藤井氏のアプローチが見えて興味深い。

怒りを燃やせば燃やすほど、泥仕合になり苦戦を強いられるライブマン。

イカリヅノーの能力が個性的でキャラが立っている。怪人に個性があるとやっぱり面白い。

勇介を責め立て怒らせるケンプだが、逆に勇介の「化け物」という言葉に逆上してしまう。

それを吸い取るイカリヅノー。勇介はイカリヅノーのカラクリに気づく。

ここで爆発されては巻き添えを食うので、イカリヅノーをなだめるケンプの姿が情けない。

この場面、天才故に予想外の事態に弱いというケンプのキャラクターが形作られているとも考えられる。

怒らずに戦う方法を探すライブマンの三人。最終的にそれぞれが何を心に戦うかを探し当てる。

ここで、勇介が死んだ卓二と麻理の墓前に訪れる。

百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊」でも勇介はここに来ていた。勇介は誰よりも友達思いの男だということがわかる。

怒りを克服し勝利するライブマン。

一方ケンプは、人間の感情を捨てきれないことをビアスに指摘され怒りに震えていた。

作戦失敗の幹部に厳しい態度を取るビアスの姿も初めて。少し、ほんの少しだがライブマンの戦いがボルトの余裕を崩しはじめている。

新たな特訓として縄跳び5000回を勇介と丈に命じるめぐみ。

自分で縄跳びをしてみせる時のめぐみの笑顔がとても可愛い。

今回は色々とキャラクターの新しい描写が見れた回だった。

同時に、明るいオチも含めてスーパー戦隊シリーズらしさを感じる話でもある。

イカリヅノーを誕生させたのが人間の感情なら、それだけでない心も人間は持っている。

前回で命の尊さを描き、今回で人間唱歌を描いた流れだ。

人間をどこまでも肯定する作風。それがスーパー戦隊シリーズらしさだと思う。