過酷だった2012年
こんにちは。管理人の侑芽です。
2012年は個人的にかなり過酷な一年でした。
仕事関連で色々あり精神的にも辛く、職がない期間も長期化。
今思うと、あの収入でどう生活していたのかわからないくらい酷い様子でした。
その年の秋から放送がはじまった仮面ライダーウィザード。
落ち着かない生活でしたが、だからこそ「希望」を体現した作品として毎週楽しみにしてました。
YouTubeでの配信をきっかけに、本放送以来久しぶりにウィザードを見ています。
せっかくの視聴なので、当時とは違った見方などができたらいいなと思っています。
第1~4話を見返して
第1話のことはよく覚えています。鬼龍院翔さんの歌うOPに乗って戦うウィザード。
当時といえばゴールデンボンバーが一番「旬のアーティスト」だった時代です。
私も「女々しくて」よく聴いてました。
人気絶頂の歌手が仮面ライダー最新作の主題歌を歌うことは衝撃的でした。
キャラクターですが、飄々とした主人公・操真晴人の姿が印象的でしたね。
フォーゼの弦太郎が熱血漢だったので、対照的なキャラクターとして掴みがばっちりだと思います。
晴人の飄々とした感じが、ウルトラマングレートのジャック・シンドーに似ているとも感じました。
晴人は人当たりがいいので最初から好きな主人公でしたね。
ウィザードの魅力として挙げられるアクション。
踊るようなダイナミックな体の動きが何かに似てると思ったんです。
後で考えると、スターウォーズ新三部作のライトセーバー戦でした。
ウィザードは指輪の関係上パンチが使えないので剣と足技を使った殺陣が多くなる。
だからでしょうね、スターウォーズを思い出したのは。
元々スターウォーズが好きだったので、ウィザードのアクションも楽しんでいました。
一方、第3話で初披露されたウォータースタイルへのフォームチェンジ。
これがちょっと印象が弱かったです。
この直前、ウィザードは姿を消すヘルハウンドをライトウィザードリングを使って追いつめてるんです。
つまり必要に迫られてウォータースタイルになったんじゃないので、この形態の登場にドラマ性がない。
なので、ちょっと勿体ないという気がしました。
そしてストーリー。
第1話で描かれるのは大門凛子の絶望。
この「絶望から人を救う」というコンセプトが当時の自分に本当に刺さりました。
私、ウィザードが放送を開始した後一ヶ月くらい仕事がなかったんです。
例のごとく転職活動も上手くいかず辛かったですね。
ほとんど家に引きこもって、テレビを見る時間が多かったです。
かなり精神的にもまいっていたのですが、晴人の言葉に勇気付けられていました。
改めて見返すと、第2話~3話に登場したヘルハウンドの外道っぷりなんか凄いですね。
そうした敵の凶悪さが、晴人はファントムと戦うけどその先の「絶望」とも戦うという姿に気高さを与えていました。
逆に第4話の敵・ケットシーはコミカルさを押し出した敵。
この辺りのギャップは「次にどんな敵が出てくるかわからない」というワクワク感がしていいです。
改めて見ると、やっぱり今作は面白くて好きな作品だったんだと感じることができました。
その後どうにか仕事は見つかりましたが、慣れないことで辛いこともありました。
その時にいつも「俺が最後の希望だ」という台詞に毎週救われていました。
本当に助けられた魔法使いです。
指輪の魔法使いは王道の仮面ライダー
ここからは作品全体に関する色々な思いを。
好きな作品ではあるんですが、やはり「う~ん」と感じる部分はあります。
放送当時から思っていたのが、全体に盛り上がりが少ないということ。
盛り上がりが少ないというのは、言い換えれば堅実なドラマであるということですね。
オーズ、フォーゼとキャラクターの個性が強い作品が続いてきて、そんなキャラ達のドラマを見ていたのでそう感じたのかもしれません。
このウィザードまでは作品に登場するライダーの数が2人~3人の時期でした。
次作の「仮面ライダー鎧武」が、ライダーがわんさか登場する作品だったので相対的に地味に感じてしまうのかもしれません。
また、警察が登場するけどあまり効果的に活かされてないようにも思えました。
仮面ライダークウガや仮面ライダーアギトのようにライダーのサポートができるわけでもない。
そもそも、魔法使いというファンタジックな設定に警察という現実的な組織は合わなかったように思いました。
また当時は大門凛子や奈良瞬平といったキャラも、あまり必要性を感じるようには思えませんでした。
初期から晴人が強い主人公だったので、あまりサポートがいらなく感じたんですね。
初期の売りだったアンダーワールドでのバトルも途中からあまり描かれなくなったのも残念でした。
ただ、今回見直したことで考え直す部分もありました。
私は特撮ヒーロー物の楽しさを「毎週登場する新らしい敵に、ヒーローがどう戦うか」で考えていて、ウィザードは見事にそれにマッチしています。
こうした構図は、実は最初の仮面ライダーに近いものです。
ファントムが人間態を持つというのも、人間に変装することが多かった初代ライダーの怪人を彷彿とさせます。
また、サバトという敵の儀式で力を授かった設定。
これも、悪の科学力で改造された1号ライダーに通じる設定ですね。
晴人の戦う動機も「これ以上自分のような被害者を出したくない」という1号ライダー、本郷猛に通じます。
成長要素はあるけど、第1話から完成されている晴人の強さも本郷に通じてます。
こうして見るとウィザードは魔法という設定こそ異色ながら、実は初代仮面ライダーにとても近い作品です。
全体から感じる起伏の少なさも、初代ライダーのように他作より一話一話の個性を重視していたからだと気づきました。
凛子や瞬平といったキャラの位置づけ。
これは「魔法使いも万能ではない」ことを表現していたのだと感じました。
魔法って聞くと何でもできるように思えるけど、例えば戦闘に巻き込まれた人の避難など咄嗟にできないこともある。
そして、魔法が使えても生身の人間。一人では生きていけない、だから仲間が必要。
そうしたことを表現するために普通の人間である凛子、瞬平が必要だったんだと。
そうした狙いが作品で活かされたかどうかは、さらに全体を追ってみないとわかりません。
だけど、改めて今作は非常に仮面ライダーらしい作品だったのだと気づきます。
自分はクウガ放送時が中学生。昭和ライダーを再放送やビデオでたくさん見てました。
なので、昭和ライダー世代となるのかもしれません。
ウィザードという作品に惹かれたのは、ウィザードに流れる王道らしさが好きだったからだと見直してみて実感できました。
自分が好きな作品は色々あるけど「どれだけ印象的な場面があるか」が好きのポイントですね。
ウィザードでいうと、中盤のフェニックスとの決着やグレムリンとのラストバトルが凄く印象的です。
これだけ印象に残ってるということはやはり好きだったんだと。
平成ライダーは一週間の間隔があるリアルタイムで見るのと、短期間でまとめて見るのとでは特に印象が変わってきます。
勿論基本はリアルタイムなんですが、配信で見られる時にウィザードを通して見ると間延びした印象を持たれている方はもしかしたらそれが無くなるかもしれないですね。