第23話作品情報
超獣戦隊ライブマン
第23話『コンマ1秒に賭けた命』
放送日:1988年7月30日
監督:長石多可男
脚本:曽田博久
登場怪人:ケンヅノー
あらすじ
新合金ギガゾメタル製の剣を使うケンヅノーが出現。勇介は0.1秒の差で倒されてしまう。
感想
ライブマン中盤で最大の盛り上がりを見せるボルトのギガ計画。その第一弾としてギガゾメタル製の剣が登場する。
ブッチーがボルトに加入。あまりに自然に入り込んでいるが本当にオブラーがボルトから解放されたことを感じる。
相変わらず女性弱い勇介。パトロール中に声をかけた相手は何と服を着たコロン。
かなり違和感のあるコロンの姿だが、こうやってきちんとコロンにも役割を持たせている部分は好感が持てる。
一方、ボルトではケンプ達がビアスから与えられた宿題に取り組んでいた。
子どもに分かりやすいように「宿題」という表現を使ってあるのだろうが、真剣なケンプ達の姿とのギャップに思わず笑いそうになった。
ケンプが作ったギガゾメタル製の剣を持ったケンヅノーは強く、ファルコンソードも折られてしまう。
すぐさま新武器のファルコンセイバーを出すレッドファルコン。
実は、ファルコンセイバーは前回トリプルバズーカの部品として登場していた。全然気づかなかったのだが…… この辺りは武器の登場順番に違和感を感じた。
ファルコンセイバーを使っても勝てないレッドファルコン。コロンの指示も無視し、ついに敗北してしまう。
敵から逃げたことにショックを受けてコロンに当たってしまう勇介。
新武器を作る余裕がないので技を磨こうとするが、科学者なのだから敵の剣を解析して新武器を作る方が早い気もするのだが。
そんな勇介にコロンが与えたアドバイスは、敵とのスピードの差0.1秒を縮めること。
これ理屈はそうなのかもしれないが、具体的に何をどうしたらその差を縮められるのかがわからない。
勇介が苛立つ気持ちもわかる気がする。
そんな中でケンプに攫われるめぐみ。それを追う勇介。
再戦の前に、既にレッドファルコンのスーツが傷だらけなのがなかなかショッキングな場面。
変身を解いて時間を置けばスーツが自己修復するのか、それとも自分たちでメンテナンスをしているのかわからないが、いずれにしろ今回はそんな時間もなかったのだろう。
ケンヅノーと戦うレッドファルコンの隙をついて攻撃してくるケンプ。
そこに立ちはだかったのはコロン。命を懸けたコロンの姿に捨て身で戦うことの意味を見出すレッドファルコン。
う~ん、つまり今回の話でいいたかったのは「どんな状況でも大事なのは精神力」ということだったのかな。
ただ、今一つ伝えたいことを掴みかねる印象がある。
恐怖を乗り越え、見事ケンヅノーは撃退されコロンは勇介とのデートを楽しむのだった。
ギガ計画の重要な話ではあるけど、どこかスッキリしないものを感じたのも事実。
これまでライブマンは装備の登場などにもドラマがあっただけに、ファルコンセイバーの唐突な登場に困惑。
勇介の戦士としての一面がテーマとなっているが、ボルトが攻めてくるまで戦士として訓練していた勇介の描写が描かれてこなかったので勇介の悩みに共感できない部分があった。
せめて、ライブマンになるまで剣の練習をしていた過去描写があればまた印象は違ったかもしれない。
もしくは、素直にギガゾメタルの剣に対抗する新装備開発の話であってもよかった気がする。
第24話作品情報
超獣戦隊ライブマン
第24話『遊んで百点が取れる?!』
放送日:1988年8月6日
監督:東條昭平
脚本:藤井邦夫
登場怪人:ブタヅノー
あらすじ
人間を怠けものにして家畜にしようと計画するマゼンダ。勇介は知り合った少年に努力の大切さを教えようとする。
感想
「一生懸命頑張っても駄目だったらどうするの」という少年の問いかけが難しい回。
少年が普通に頑張っているので、それでも報われないとなると勇介の答えもかなり苦しい。
価値観が多様化している今の時代であれば、SNSなどで色々な意見が出たんだろうな。
最近元陸上選手の為末大さんの本を読んだのだが、その中に印象的な一文があった。
僕が言いたいのは、あくまでも「手段は諦めていいけれども、目的を諦めてはいけない」ということである。
引用:為末大「諦める力」プレジデント社
上手くいかないのなら、別のやり方を試してみたらいい。今までの自分を変えることも勇気。
今だったらそんな方向に話が進んだかもしれない。
今回はギガ計画とは無関係な話。
人間を家畜したとしても、労働力になったかどうかはよくわからないところ。
それにしても、最近「半沢直樹」などのニュースを読んでコメント欄を見ることがあるが、いうほど昔の時代もいいものじゃないとわかってくる。
景気は良かったのかもしれないが、今回の話でも描かれた塾の様子とかみるとあんまり自分には馴染めそうにない時代。
そういう時代を生き抜いてきた自分の両親などは凄かったんだろうなと感じた。