ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

日々の中で出会った映画・本・お店、演劇や物などを総合的に紹介する雑記ブログです。

『ザ☆ウルトラマン』第47話感想 

「私前から思っていることがあるんです。ヒカリ隊員のことで」

放送情報
タイトル:「ウルトラの星へ!! 第1部 女戦士の情報」
放送日:1980年3月5日
脚本:吉川惣司

感想
冒頭、夢にうなされ基地の設備で土星を見るヒカリ。

ゴンドウキャップはその姿から何かを感じ取る。

ついに始まったヘラー軍団の総攻撃。

ザ☆ウルトラマンの世界ではこれまでも世界規模で侵略者の攻撃があった。

しかし、ヘラー軍団の物量はこれまでの侵略を上回る。

それまでのウルトラシリーズ最終回では怪獣単体の強さを強調していたが、敵の物量を優先的に描いたのはアニメならではのメリット。

しかも、これまで科学警備隊は世界を股にかけて活躍していたので世界規模の組織という描写に無理がまったくない。

ウルトリアでヘラー軍団を撃退する科学警備隊。

追跡中の円盤が突然爆発し不時着する。

「包囲して一人も殺すな」と指示するゴンドウキャップ。

宇宙船から出てきたヘラー軍団の兵士たちは何と爆弾を抱えて特攻してくる。

ヘラー軍団の残虐さはこれまでも様々に描写されてきた。

彼らが元々はウルトラ人であったことを思えばショッキングな場面。

だが、ザ☆ウルトラマンではウルトラ人にわざわざ地球人と同じ姿を持たせてまで彼らの様子が描かれている。

そこに描かれていたのは穏やかで勇気を持ち、恋もする人間の姿であった。

ヘラー軍団の特攻の描写も、ウルトラ人と対になる「人間」を描いた姿と考えられる。

宇宙船の中に密かに潜入していたアミアは38話以来の登場。桜田長官とは初対面となる。

アミアからヘラー軍団が土星に前線基地を作っていることを知らされる科学警備隊。

土星と聞いてゴンドウキャップは思うことがある。

基地に迎えられるアミア。考えてみればウルトラ人を、正体をわかった上で地球人の部屋で休ませる何てすごいことだ。

日常的な描写だが、それが宇宙規模のスケールの本筋と直結している。

密かに再会するヒカリとアミア。

森の中という場所がU40の美しい自然を思い出させる。

タイターン基地攻撃はエレクが考えた作戦。U40でも戦いが続いている。

きっとウルトラマンタイタスも戦っていたのだろう。

最高会議が開かれ対策が話し合われる。

ウルトリアを土星に向かわせることに反対する各国防衛軍の首脳たち。

世界中がやられている状況を考えれば地球の守りを優先する気持ちはわかるが、根本的な問題の解決にはなっていない。

反論するゴンドウキャップに「解任する権限もある」と迫る首脳たち。

彼らの態度の裏側にあるのは「恐れ」だろう。

最高会議後のゴンドウとムツミのシーン。

ムツミはヒカリ隊員について前から思っていることがあると告げる。

マルメが指摘する「ヒカリは肝心な時にいなくなる」という状況。

ゴンドウはそれ以上言うなとムツミを制する。

もうこの時点で二人とも完全に気づいている。

小さなポイントだが、ムツミの台詞で「マルメ隊員が」と言っているのが大事なところ。

これまでの話の描写がきちんと活かされているところに一年のシリーズの積み重ねを感じる。

再び始まったヘラー軍団の攻撃を迎え撃つウルトリア。

出撃の際に防衛軍首脳の一人が「これだけは手放すわけにはいかん」と呑気に語るがあんたの物じゃないと画面に叫びたくなる。

密かにウルトリアに忍び込んでいたアミア。

これまでもそうした行動が多かったアミアだが、今回ばかりは彼女も傍観者のままではいられないのだろう。

敵の旗艦に捉えられるヒカリとアミア。ヒカリはカプセルに閉じ込められる。

ヘラー軍団はジョーニアスのことは知っていても、そのジョーニアスがヒカリだというところまでは調査が及んでいない。

元ウルトラ人たちなので地球人と一体になれることは知っていると思うが、まさか目の前の人間の中にジョーニアスがいるなど思いもしないのだろう。

カプセルの中で変身するヒカリ。

ジョーニアスの腕や足が宇宙船の中を突き破って巨大化する場面は見どころの一つ。

今ならこういう場面も実写でできるだろうが、当時の技術では表現するのが難しい。

怪獣が出てこない本話でも、こういうダイナミックな場面があることで視聴後の満足感が生まれる。

アミアを救出し旗艦を撃破した後に科学警備隊は最高会議の決定を押し切って土星のタイターン基地へ向かう。

とんでもないことをしているのに隊員の誰一人反対しない。

最前線で戦い続けウルトラマンの活躍を誰よりも知り、ウルトラ人と交流してきた彼らだからこその選択だろう。

ゴンドウの言葉を穏やかな表情で見つめる桜田長官が印象的。

この人が長官で良かった。

そういえば、宮井副官は登場していないがどうしたのだろう?
まあ、あまり有能そうでないので何かの理由で降格されたのかもしれない。

本話で描かれるウルトリアに依存する各国防衛軍首脳の姿。

それが実は後に描かれるジョーニアスを頼りにする科学警備隊の姿に通じる物がある。

それを科学警備隊がどう克服していくか。それがザ☆ウルトラマン最終章の見どころ。

「映画クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」追悼・藤原啓治さん ありがとう父ちゃん

しんのすけだって色んな人に守られて大きくなったんだぞ、父ちゃんもな

ま、父ちゃんにいわせりゃ自分一人ででかくなった気でいる奴は、でかくなる資格は無い

しんのすけ、父ちゃんに何かあったらひまわりのことを守ってやってくれよ

頼んだぜ、お兄ちゃん

映画の一場面。

ひまわりを狙う敵の追跡を逃れてようやく家族と再会。

しんのすけと一時の語らいをするひろしがしんのすけに言った言葉です。

野原ひろしを思い出すとき、私はいつもこの場面と台詞が思い浮かびます。

映画クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」はクレヨンしんちゃんの劇場版第5作として1997年に公開されました。

私は当時小学4年生。

この頃にはクレヨンしんちゃんのテレビ放映を見たり見なかったりだったのですが、年に一度放送される劇場版は欠かさず見ていました。

クレヨンしんちゃんはちょうど私が保育園の時にテレビ放映が始まったので、私は最も初期のしんちゃんを見ていた世代です。

当時かなり大好きになって、保育園最後の年のクリスマスプレゼントにはクレヨンしんちゃんの平仮名や算数を勉強するワープロのような玩具を親にねだるほどでした。

お気に入りのキャラクターはもちろんしんのすけ。

父ちゃんこと野原ひろしは、幼い私にとってしんのすけに振り回される「面白い人」のような認識でした。

あれから長い年月が経ちました。

子どもだった私もひろしの年齢にもう間もなくなろうとしています。

年齢を重ねるにつれて、ひろしという人は男としても人間としても尊敬できる人だと強く思うようになりました。

一生懸命に働いて、家を建て、家族を守る。

今は価値観が多様化し、昔よりも「個」の存在が重視される時代になりました。

私自身も家庭を持たない身ですので一人で生きる選択肢もあるとは思うのですが、ひろしのように家族を大切に思う生き方にはどう理屈でごまかそうとしても、やはり憧れます。

クレヨンしんちゃんの映画もたくさんあって全部は見れていません。

だけど、「暗黒タマタマ大追跡」は個人的に劇場版しんちゃんの中では一番面白い作品です。

しんちゃんの映画の中で特に名作として語られる「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」及び「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」。

それらが大人も(あるいは大人が)泣ける要素で高いクオリティを持っているのに対し、「暗黒タマタマ大追跡」はひたすらギャグに特化した作品です。

濃すぎるキャラのオカマ三兄弟や敵のチーママやサタケ。ホラー要素たっぷりに襲ってくる外人・ヘクソンや駄目女刑事・東松山よねなど個性的なキャラクターとお馴染みの野原一家の掛け合いのリズムが良すぎて久しぶりに鑑賞しても子どもの頃みたいに笑ってしまいました。

物語の中心はしんのすけの妹のひまわり。

ひまわりは本作が劇場版デビュー作となります。

家族が一人増えたためか、事件に巻き込まれた一家の大黒柱としてのひろしの苦悩が映画の中で描かれます。

敵が世界を支配するのを目的とし、味方が世界を守るのを目的とする中でひろしはひたすら家族を守ることに一生懸命です。

中盤で家族と離れてよねと二人きりになった場面。

突然日常を壊され苦悩するひろしですが、よねの仕事にかける思いを聞き気持ちを静めます。

大人しかいない場面なので子どもにはやや退屈に感じるかもしれません。

だけど、大人同士で仕事の話で互いを知るこの場面。

大人になった目で見ると何かいいなあと思うんです。

別によねとひろしにラブストーリーが生まれるとかじゃないんですが、大人は苦労もあるんだぞっていうのが伝わってきて。

それでも仕事するのが大人なんだって今になると考えます。

子どもの頃はわかるはずもありませんが、大人になるとひろしのやってることって物凄く大変なことなんだと少しだけわかるようになりました。

大人になれば当たり前に生活できる仕事を持って、当たり前に家庭を持てると思っていた。

だけどそれはとてつもなく難しいことでした。

ましてやそれを守るとなるとさらに苦労するのがわかります。

ひろしも、そして私の親も立派な人たちだ。

今は心からそう思います。

人間と言うのはやっかいなもので、自分でお金を稼ぐようになると、まるで自分だけで頑張ったような気になる時があります。

本当はそこには自分を生み育てた親や家族、友人、恋人、お金を頂くお客さんや一緒に働く会社の人、そうした人たちをさらに支える家族の存在があってはじめて自分も生きられるというのに。

自分一人じゃ何もできない。それを忘れそうになった時は、私は冒頭に書いたひろしの台詞を思い出します。

アニメや映画、色々な作品に名言がありますが何の変哲もない普通の人だからこそひろしの言葉は胸をうちます。

それは、演じた声優さんの名演としても多くの人に記憶されていきます。

クレヨンしんちゃんの玩具を買ってくれて、映画に連れて行ってくれた両親。

一緒にクレヨンしんちゃんを見た妹や親類。

しんちゃんごっこをした友達。たくさんの人のお陰で私はでかくなれました。

勿論、クレヨンしんちゃんに携わったキャスト・スタッフの皆さんのお陰でもあります。

野原ひろし、父ちゃんの背中は大人になってからのほうが大きく強く見えるものなんですね。

クレヨンしんちゃん、ガンダムOO、ジョジョの奇妙な冒険、ぼのぼの、アイアンマン‥‥‥

藤原啓治さん、数々の名演を見せていただきありがとうございました。

ご冥福をお祈りします。

どうか安らかに‥‥‥


映画クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡

映画「ペンギン・ハイウェイ」男子は淡い昔を思い出す 無料で観れる方法も紹介

男なら誰でも年上の女性に憧れた経験があると思うんです。

それは純粋な憧れの時もあれば本気の恋の場合もある。

優しくて明るくて自分を包み込んでくれるような存在。

家族である母親とは違った立場で接する異性。

何でお姉さんに惹かれてしまうかは後付けでいくらでも考えられます。

だけど、どんなに月日が流れてもその時の胸の高鳴りを覚えている人も多いはず。

森見登美彦(もりみとみひこ)先生の小説をアニメ化した映画「ペンギン・ハイウェイ」は男子なら一度は経験した年上のお姉さんへの淡い気持ちを思い出させてくれる映画です。

ですがかっての少年たちだけに向けた映画ではなく、子どもから大人まで老若男女問わず楽しめるエンターテインメントです。

色々な人に観てもらって、親子で感想を語り合うきっかけになる面白い映画です。

作品情報

タイトル:ペンギン・ハイウェイ

公開日:2018年8月17日

原作:森見登美彦

監督:石田祐康

配給:東宝映像事業部

あらすじ

小学校四年生のアオヤマ君は勉強熱心な少年。

毎日世界について学んだことをノートに記録しています。

そんなアオヤマ君の最大の関心は歯科医院に勤める「お姉さん」。

明るくて胸が大きくて優しいお姉さんをアオヤマ君は日々真剣に研究しています。

ある日、街の郊外に突然ペンギンが現れます。

ペンギンたちは一匹、また一匹と現れては増えどこかへと消えていく。

そしてアオヤマ君はお姉さんがペンギンを作り出している事実を知ります。

果たしてペンギンとは、お姉さんとは。

これはアオヤマ君が経験したある夏の大切な思い出の物語。

大人が楽しめるアニメ

先に書いたことといきなり矛盾しちゃうんですが、この映画はまず大人向けの映画だと思います。

というのも、メインで描かれているのが主人公・アオヤマ君が憧れる年上のお姉さんへの淡い恋心なんです。

お姉さんは名前が語られず一貫して「お姉さん」と呼ばれています。

アオヤマ君はお姉さんの大きな胸に興味を持つんですが、それは嫌らしい意味じゃなくていかにも年ごろの男の子だと感じられて可愛い。

大人目線で見るとアオヤマ君の姿に「ああ、俺も昔はそうだったな」とか「男の子ってそうだったわよね」とか感じるところがきっとあると思うんです。

そして、憧れてもその恋が実らないということも大人はわかります。

これが同級生の女子に恋する内容なら恋が実る結末もあると思うんですけど、アオヤマ君とお姉さんは恋が実ることはない。

これは大人が過去の自分のことを思い出せる映画だから、お子さんがいる方でもまず大人の方に観てもらいたいですね。

子ども達には冒険の雰囲気を

では子どもは楽しめないかというともちろんそんなことはありません。

ペンギン発生の謎を追うアオヤマ君。

同級生のウチダ君や秀才のハマモトさんという仲間ができて、ペンギン発生に関係している不思議な球体「」の観察をはじめます。

その過程でいじめっ子のスズキ君たちの妨害を受けたりするんですが、困難に合いながらも仲間と協力して事態に立ち向かう王道的な展開は何歳になっても胸が高鳴ります。

この作品は街の中という狭い範囲が舞台です。

だけど、物凄く絵が綺麗で自然豊かなので広大なフィールドを冒険してる感が満載です。

個人的にスズキくんが古き良き時代の少年という感じで良いキャラだと思います。

フィクションの中で子どもが一番盛り上がる要素に「大人を越えて行動する」というのがあります。

例えば映画「ホーム・アローン」で主人公の少年が強盗を奇想天外なアイデアで迎え撃つ場面。

あれは子どもの頃観ていてスカッとしました。

ペンギン・ハイウェイは大人と戦うわけではないですが、子ども達が思いを遂げるために大人を乗り越えて行動する場面があるので観てる子ども達はアオヤマ君を応援したくなります。

何となくワクワクする雰囲気だけでも楽しんでくれたらいいと個人的には思います。

わかりやすい表現

物語は突然現れたペンギンとそれに関わるお姉さんの謎を追い進みます。

SFの要素もあるのでお子さんには少し難解です。

でも、この作品では非常にわかりやすい単語が使われているので映画を理解するのに困ることはありません。

お姉さんがペンギンを生み出すエネルギーをアオヤマ君は「ペンギンエネルギー」と名付けます。

そのペンギンに関係する球体が「海」。

不思議な物にいかにもSF的な「〇〇ホール」や「〇〇粒子」といった単語が使われないのが作品をわかりやすくしていました。

それに作品の雰囲気に凄く合ってるんですよね、緩い表現が。

ペンギンっていう可愛い動物が出てきて、少年の淡い恋がメインで‥‥‥

そんな作品にバリバリのSF要素が入ったらここまで広い年齢層にお薦めできる作品にはならなかっただろうと感じます。

憧れのお姉さんと豪華キャスト

さて、本作のヒロインであるお姉さん。

本当に魅力的な女性です。

まずデザインが凄く美しい人に描かれていて、その上性格も明るく豪放磊落というお方。

とても頭の良くて、ややもすると年不相応なアオヤマ君を子ども扱いして可愛がる姿は本当に素敵な「年上のお姉さん」です。

でも、いわゆる「萌え」の要素は感じませんでした。

恐らく、それはお姉さんが心の中の懐かしいものを思い出させてくれる存在だったからじゃないかなあと思います。

忘れたくない大切な思い出の人。

現実にそういう人がいたかどうかより感覚として誰の胸にもそういう人がいると思うから、萌えより淡い気持ちの方が強くなるんじゃないかと。

お姉さんを演じるのは蒼井優さん。いわずと知れた実力派女優さんです。

これが本当にはまってます。蒼井さん自身、とてもキビキビした女性という情報もあるのでその個性が上手くお姉さんにマッチしてると感じられます。

他にも西島秀俊さん、竹中直人さんといった豪華キャストが脇を固めていて作品に登場する大人たちに優しさや説得力を与えていました。

世界の果てとは

世界の果てがなんであんな感じの場所だったのか。

ネタバレになるんでさらりと書きたいのですが、個人的に世界の果ては美しい場所であって欲しいのでああいう形で描かれてることに納得しました。

元々原作が文学作品なので明確な答えは無くて、各々が想像すればそれが正解だと思います。

アオヤマ君がこれから向かうべき場所として、彼の目標となったのならそれでいいんじゃないかと。

「世界」というくらいだからこの世界とどんな形でかは繋がってるかもしれない。

だからあの風景、そんな風に思います。

まとめ

映画として、非常に綺麗な作画と良い演技のキャスト陣が出てるのでクオリティ抜群の作品です。

原作を読んだ方でも納得の出来になっています。

細かい理屈を追求するより、各キャラクターの心情に注目しながら観ていって欲しいですね。

あと私は映画でも本でも子どもが観るなら内容に「恐さがあるか」を意識してます。

というのも、子どもって恐さに食いつくんです。

例えばトイ・ストーリーでシドに改造されたオモチャが出てくる場面。

子どもの頃、不気味だけど凄く目が離せない場面でした。

子どもは恐い物見たさで見ちゃうんですよね。

ペンギン・ハイウェイにもちょっとした恐さというか「これからどうなるの」という要素が入っているのでそういう意味でも子どもは楽しめます。

ペンギン・ハイウェイを無料で観る方法

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「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ヒーローズ・ライジング」はハイブリッドカーだ

良い映画の条件って、もちろん人の数だけあると思います。

私の中にも色々あるけど「お金払って映画館に観に来て良かった」と思えた映画はシンプルにいい映画だと思います。

公開から一ヶ月以上が経ち、もうすぐ上映終了とのことで滑り込みでヒロアカを観てきました。

面白かった!
本当に劇場に観に来て良かったと思いました。

凄く熱くなれたし、観終わった後に爽やかな気持ちにもなってハリウッドの大作映画に引けを取らないくらいの作品だと思いました。

1年A組全員が活躍

※以下、ネタバレも含みますので未見の方はご注意を

まず何といっても、1年A組全員の活躍がまんべんなく描かれていたのが良かったですね。

(自分はジャンプ本誌を読んでいないのでコミックスで追っている人間です)原作だと初期に雄英が襲われた時や臨海学校の時などで全員で危機に立ち向かう話もありました。

でも最近は授業以外で全員で戦う機会が減っていたので映画で皆が頑張ってる姿に胸打たれました。

学生だけを島に派遣するなど無茶だと思いましたが、全員の活躍を見せるという意味では島という舞台が上手く活かされていたと思います。

特にいい意味で意外だと思う部分があって、ナインとの戦いで傷ついた出久と爆豪を助けるのに口田君が来てくれるんですよ、切島とか飯田とかじゃなくて。

彼のアシストがなかったら二人ともやられていたので本当に口田君ファインプレーでした!

ちょうど最近までアニメで死穢八斎會 との戦いをやっていました。

あれが出久や切島といった一部のメンバーをメインにしていた展開だったこともあって映画が良い意味で対になっていたのがよかったですね。

推しのキャラの活躍を見たいよ!というファンの期待に応えられる作品になっていたと思います。

おいおい…… 最終回じゃないの?

こう思ってしまうくらいとにかくバトルシーンが凄かったんですよ。

原作者の堀越先生自身「最終決戦でやりたかったネタの一つをこの映画で使っている」と言われているくらいですので力の入れ具合が半端じゃないです。

特に最後の方なんか今回のヴィラン・ナインの能力がチート過ぎて観ていて絶望的になりました。

あんまり戦闘してるイメージのない障子までボロボロにされていくのは痛々しかったです。

ナインの能力に天候を操るのがあるんですが、音の迫力とかやっぱりテレビで見るのより迫力が段違いで劇場版という作りを活かしてありました。

また、ナイン以外の敵も生徒達が単独で倒せるような相手じゃなくて全員で協力しないと勝てない。

もう、この展開も「きっと最終回あたりでこうなるんだろうな」と予想していたやつだったんで「映画でやるの!?」と驚いたと同時に熱くなりました。

爆豪を受け入れられた

実は爆豪についてあんまり良い印象を持っていなかったんです。

というのも、どうしても最初の方で出久を虐めていた時の印象が強くてその後ストーリーが進んでも受け入れられなかったんです。

もちろん口は悪いけど彼なりのヒーロー観を持って精一杯努力してる人だとわかってはいたんですが、正直よく周りの人達が彼を受け入れられるものだと不思議に思うほどでした。

そんな爆豪ですが今回の映画では今までの自分の印象をひっくり返すくらい立派にヒーローをしてくれていました。

感心した彼の台詞があって、ゲストの子ども達が出久と爆豪を騙すんですがそれを叱らない出久に「そんなんだからガキが図に乗る(完璧に覚えてなくてすいません)」みたいなことを言うんです。

滅茶苦茶正論で思わず納得してしまいました。

絶望的な状況の中でどこまでも諦めない爆豪の存在がA組の士気を挙げていて凄くカッコよかったですね。

今回の映画で爆豪というキャラを受け入れられるようになりました。だから観に行ってよかったと思います。

前作との対比、二人のヒーロー

前作の映画では出久とオールマイトの二人に焦点が当てられてましたが、今作では出久と爆豪に焦点が当てられてました。

ここに、前作と同じ事はやらないという製作者の気概を感じました。

出久と爆豪は本当に正反対なんですが、この映画を観ることでこの二人の目指しているものが一緒だということが改めてわかりました。

その上で今後原作で二人がどういった成長をしていくのか、原作を読む楽しみが一つ増えました。

後悔しない映画

とにかく観て後悔無い映画でした。

ヒロアカを見たことのない方には敷居が高いですが、逆にファンの方であれば絶対に楽しめる作品だと思います。

まるでハイブリッドカーのようにクオリティが高く、お金をかけたことを絶対に後悔しない作品です。

もしこれからヒロアカに興味を持つ方がいたら必見です!