ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

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特救指令ソルブレイン第6話感想 「バクダンと落語家」

作品情報

サブタイトル:「バクダンと落語家」
放送日:1991年2月24日
監督:小笠原猛
脚本:扇澤延男

あらすじ

同級生である金円亭金太の落語を聞きに来た玲子。

社会勉強のために亀吉とソルドーザーも付いてくるが、突然三人の前で金太が誘拐されてしまう。

感想

超人機メタルダー」で東映特撮デビューを果たし、以後サブライターとしてメタルヒーローシリーズを支えた脚本家・扇澤延男さん。

前作の「特警ウインスペクター」で扇澤さんが手掛けた回を見て、その後東映特撮を支えることになる小林靖子さんが脚本家を志したのは有名な話。

個人的にもとても好きな脚本家の方です。

私はレスキューポリスからメタルヒーローシリーズを見始めた世代です。

エクシードラフト辺りから段々記憶がはっきりしてくるのですが、自分にとってメタルヒーローシリーズといえば扇澤さんが描かれた話の印象が強い。

その特徴を一言でいえば「人情」。

決してハッピーエンドばかりではないのですが、人間の良い面も悪い面も描き出し見る人間の感情を揺さぶる物語は今見ても色あせません。

今回は、そんな扇澤さんのソルブレイン初参加のエピソードです。

6話にしてようやく玲子さん周辺のドラマが描かれます。

それにしても、玲子さんは優しいですね。落語が受けなかった相談に乗るため金太と食事の約束をしてる。

お互い恋愛感情とかはなく純粋に友人関係なんでしょうが、今一つキャラクターが見えなかった玲子さんの人となりが見えてきます。

実は金持ちの息子である金太を誘拐した犯人たち・熊谷金属の犯行動機はかなりシリアス。

悪事をやりたくて事件を起こしたわけじゃなくて、差し迫った理由から犯罪に走らざるを得ない姿はいつの時代の刑事ドラマでも通じる犯人像だと思います。

落語を題材にした話だからか、犯人たちのキャラクターがコミカルなのが他にない特徴。

父が亡くなってから女手一つで会社を切り盛りして苦労した金太の母。

その姿を見て落語家になる決意をする金太ですが、発想がお坊ちゃん的というか何というか‥‥‥

でもまあ、演じる役者さんの飾らない演技もあって嫌味な印象がないのは良いポイント。

ポイントといえば、今回もラストは爆発からのソリッドステイツ出撃。そしてソルブレインのレスキュー活動。

1話からずっとこの展開ですが、きちんとそうなることに理由と過程が描かれていて今回はその辺はあまり気になりませんでした。

まあ、本当はこういうパターンというのは上手く振り分けてバランスをとって構成する方がいいのでしょうが……

事件解決後、大樹が語る「事件の真相を暴くのが、我々の仕事ではない。人の命と、人の心を救う事。それが仕事なんだ」という台詞。

単にゲストに焦点を当てただけでなく、ソルブレインの存在意義にも言及している点にとても好感が持てる台詞でした。

今回は題材と同じく、全編を通して一本の落語のようになっていた話。

ウインスペクター以上にシリアスなソルブレインでも、こうした笑いも交えた話ができることを証明した今回の話の意義は大きいと思います。