ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

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超獣戦隊ライブマン第19、第20話感想 

第19話作品情報

超獣戦隊ライブマン
第19話『ガリ勉坊やオブラー』

放送日:1988年7月2日
監督:長石多可男
脚本:曽田博久

登場怪人:ベンキョウヅノー

あらすじ

オブラーが作ったベンキョウヅノー。しかし、その心の中には幼い頃自由に遊べなかった豪の心が宿っていた。

感想

オブラー退場編となる三部作の一話目。この展開になった経緯はわからないが、尾村豪は後で再登場するのでそのための伏線にもなっている。

前回に引き続き頭脳獣に幹部の心が使われている。それにより幹部の内面を描き出すことに成功している。

それにしてもベンキョウヅノーが切ない話だった。

どんなに自分を改造しても捨てられない良心。それを頭脳獣という形でしか表すことしかできない悲劇。

詳しくは描かれていないが、ライブマンも内心は戦い辛かったに違いない。

中盤で人間に戻ってしまった豪に駆け寄るのが丈というのがまたいい。こういう部分がきちんとしているか否かで作品が引き締まるかどうか変わってくる。

一方で、まるで豪を助けるかのごとく現れたのはアシュラ。前回もそうだが、後で加入したにも関わらずアシュラは幹部たちの兄貴分のようだ。

勿論助けたつもりはないのだろうが、見ている分には豪には思ってくれる人間が何人もいるように思える。

だからこそ、豪の気持ちを省みず勉強ばかりさせた母の姿が印象的。

息子を天才と信じていたようだが、気になるのは父親の存在に言及されていないこと。

もしかしたら女手一人で豪を育てたのかもしれない。

だとしたら、豪を天才と思うことでそんな息子を育てた自分を凄いと思いたかったのかもしれない。

トピックスとしては新しい敵・ギルドスの登場。今までの戦隊では宇宙人の敵は数多くいたが、ライブマンの世界観ではちょっと宇宙人という設定には驚き。

だが、その存在にある秘密が後々明かされる。

新しい敵を迎えてますますオブラーの立場は危うくなる。

第20話作品情報

超獣戦隊ライブマン
第20話『落第オブラーの逆襲!』

放送日:1988年7月9日
監督:東條昭平
脚本:曽田博久

登場怪人:サイセイヅノー

あらすじ

ボルトに新幹部・ギルドスが加入。立場を失い人間に戻ったオブラーは実家にある実験室で再度怪人化を試みる。

感想

オブラー退場三部作の二話目。前回登場したたギルドスが正式にボルトに加入する。

いよいよ追いつめられるオブラー。他のボルトのメンバーからはとっくに見放されているのにひたすらボルトに戻るために努力する姿が切ない。

ライブマンと豪の母が対面。しかしこの母も難のある人物だ。

長く失踪していて、ボロボロになって帰ってきた息子が実験するという言葉に疑いも持たない。

多分、ずっと息子の言葉に耳を貸すことなく生きてきたのだろう。それだから豪も母に本心を打ち明けることをしなくなったことは容易に想像できる。

とはいえ、息子のことを思う気持ちも確かにあるから悪い親とは言い切れないんだよな……

勇介達は獣人化して出てきた豪に「おふくろさんの目の前で何てむごいことを」と言っているが、その原因を作ったのが母親だから見ていると複雑。

この回に登場するサイセイヅノーは名前通り再生能力を持つ強敵。真っ白な外見がなかなか不気味だ。

余談だがこのサイセイヅノー、何故かウルトラマンの怪獣を集めた本の裏表紙に載っていたことがある。

管理人はそれを見ていたので尚更印象的な怪人。作った人が間違えたんだろうけど……

ライブマンはコミカルな描写も多いが、今回は第1話や2話を思い出すかのようにシリアス一辺倒。

引き締めるところはきちんと締めることで大人の鑑賞にも耐えられるものになっていると思う。

笑顔なく終わるラストから物語は次回に続いていく。