ネコはミカン片手に夜明けを待つ

日々の中で出会った映画・本・お店などのエンタメを紹介する雑記ブログです。小説やウルトラマンをはじめとした特撮を中心に運営中。

ゴジラVSキングギドラ ゴジラの涙 新堂会長は何故ビルに残ったのか

はじめに

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」でも大活躍したキングギドラ

たくさんの作品に登場していますが、私がキングギドラと出会ったのは「ゴジラVSキングギドラ」でした。

当時は保育園で、ビデオレンタルで観ました。

「綺麗な怪獣」というのが第一印象だったと思います。首が3つある異形の姿なのに、恐い感じがあまりしない。

それどころか神々しさを感じていました。

今作は怪獣バトルに突入するまで結構長いんですが、UFOありタイムスリップありロボットの活躍ありで退屈することがありません。

子供心にとっても楽しい映画でした。

その中で、一人ビルに残ってゴジラと対峙する新堂会長の場面は名シーンとして知られていますね。

実際、物事が良くわからない小さい頃の私でもこの場面からはまるで気高さのような、何か特別なものを感じていました。

ただ、大人になった今でも新堂会長が何を考えてビルに残ったのか。泣いているようにも見えるゴジラはどういう感情だったのか。

これには「こうじゃないか」という考えが持てずにいました。

先日、今作を観直す機会がありようやく自分なりの考えが出ました。

新堂会長がビルに残った理由

ゴジラにとどめをさされることでケジメをつけたかった

私が考えた新堂会長がビルに残った理由です。

劇中で新堂会長自身が語っているように、自分を助けてくれた恐竜がゴジラになって自分が再建した日本を破壊しにやって来ました。

ラゴス島で国のために命を懸けて戦った新堂会長。

帰国した後も、国とそこに住む国民のために尽力しました。

原子力潜水艦さえ保有する帝洋グループの大きさが彼の努力を物語っています。

そこまで頑張れた理由は、自分を救ってくれた恐竜の恩に報いるためだったと考えられます。

生きるか死ぬかの戦場を生き延びた後で、新堂会長は自分が次になすべきことを見つけたのでしょう。

キングギドラと対峙するゴジラを見ながら、会長はゴジラに絶対の信頼を置く台詞を呟きます。

しかし、ゴジラはそのまま日本を破壊しながら東京に進行。

その姿を見て、ゴジラがあの頃の恐竜ではない現実を突き付けられた。

会長の目の前にいるのは自分を救ってくれた穏やかな恐竜ではなかった。

ゴジラが暴れれば犠牲が出るし、街も破壊される。

VSシリーズではあまり描かれませんが、あの世界にもゴジラのために悲しみに暮れる人がたくさんいたはずです。

・ゴジラを優しい恐竜から怪獣に変えてしまった責任。

・結果的にゴジラパワーアップの一端を担って、国民を傷つけてしまった責任。

こうした責任へのケジメとして、新堂会長はゴジラに倒されることを望んだ。

だから一人ビルに残った。

同じゴジラでも「ゴジラVSビオランテ」に登場したゴジラじゃ駄目だったんです。

会長がパワーアップと復活に関わった今作のゴジラでないと。

新堂会長とゴジラの再会は悲劇的な結末になりました。

でも恩人に再会し、その恩人に人生の幕を下ろしてもらう最期の瞬間。

もしかしたら新堂会長の心は幸せだったのかもしれません。

ゴジラは新堂会長を覚えていた

ゴジラが泣いてるように見える場面。

ゴジラの気持ちは本当に想像するしかありません。

でも、映画を観直して気づいたんですがゴジラザウルスだった時の行動。

アメリカ兵は襲っているのに、日本兵は襲っていないんですよね。

これは、ゴジラは敵が誰なのかわかっている。

もっと広く考えると、ゴジラには人間を判断する感情があると示されている。

ゴジラには感情がある。

だから、ゴジラは新堂会長のことを覚えていたんだと私は思います。

そして、新堂会長が何を望んでいたのかもゴジラはわかったのでしょう。

ゴジラは本気で泣いていたのだと思います。

恐竜から怪獣へと変わってしまった自分に、こんな風になってしまった運命に。

人間一人倒すだけなら熱線を吐く必要などない。

それでも天に吼えた後に熱線を吐いたのは、ゴジラから新堂会長への手向けだったのでしょう。

もちろん、ゴジラにそんな感情なんてないと考えることもできる。

でも、映画を追っていく中でゴジラに感情があることを素直に受け入れることができたんです。

ゴジラも時には新堂会長のことを思い出す日もあったのでしょうか……

何故メカキングギドラがあの時間に出現したのか

まず私は、詳しいSF考証のことはわかりません。

その上で単純に疑問に思ったんですよ。別にあの時間の前でもよかったんじゃないかって。

でも、新堂会長が死んだことでVSシリーズの世界はエミーたちの世界とは違う時間が進み始めた。

エミー達の世界では帝洋グループは存続していてさらに巨大になっているという話ですからね。

会長が死んでもゴジラが出現しても帝洋グループは存続し続けたと思います。

でも、新堂会長がいなくなったことでVSキングギドラの歴史がエミー達の歴史に繋がる可能性が完全になくなった。

だからメカキングギドラが登場するにはあの時間でなければならなかったのではないか……

うまくまとめられなくて申し訳ないのですが、そんな風に思いました。

最後に

改めて今作を観て感じたのですが楽しい!

とにかく楽しくて時間が過ぎるのがあっという間でした。

だけど、企業が大きな力を持つことへの警鐘など考えさせられるメッセージもきちんと含まれています。

「ゴジラVSキングギドラ」。

今作は考察して込められたものを解きほぐし鑑賞することが、すごくたくさんできる作品です。

ゴジラ誕生を描きシリーズの中でも重要な今作を楽しんでみませんか?


ゴジラVSキングギドラ