色々と挑戦的な作風ではあったものの、子どもたちへの受けが気になった1話とは対照的にウルトラシリーズらしく明るい作風になった2話と感じた。
新設されたSKaRDの隊長に任命されるゲント。メンバーは既にハルノ参謀長が選択していたが、もしかしたら何か伏線があるのだろうか。
ゲントとの会話の中でハルノが怪獣のことより、ブレーザーの存在を気にしていたのが気になる。
もしかしたらゲントがブレーザーだと疑っていて、そういう事態に対処できそうな人員を集めたとか?
しかしゲントも前触れもなくブレーザーの名前を口に出すと怪しまれそうな気もする。
その後とんとん拍子で進んでいくSKaRDのメンバー集め。
面白いと思ったのが、新設された部隊であるにも関わらずいわゆる『青春物』の雰囲気がしないこと。
防衛チームのメンバー集めで想い出したのがウルトラマンメビウスだが、ブレーザーでは既に実績のある人たちを集めてるので「俺たちの戦いはこれからだ」みたいな感じは伝わってこない。
ゲントがメンバー集めをする過程ではコミカルな場面はあるものの、その後はすんなりと全員が任務に対処している。
同じようなシチュエーションでも、ほんの少し状況をずらすだけで作風というのは全然違ってくるのだと感じた。
今回登場する怪獣はゲードス。
舞台となるのは港町だが、一貫して夜の街で物語が繰り広げられた1話と対照的に青空の下で展開される対比が印象的。
ブレーザーは野性味はあるものの、スパイラルバレードを釣り竿の形にするなど高い知性を感じられる。これはブレーザーの意思なのか、ゲントの意思なのか気になるところ。
ニュージェネシリーズでおなじみとなっていたインナースペースの描写がない分、こういう部分でウルトラマンの神秘性が高められている。
一方でウルトラマンタロウを彷彿とさせるような釣り竿の描写があることで、硬派でありながらも子どもをきちんと意識した作りがされていることに安心した。
これは子どもに忖度しているとかそういう意味ではない。
見ていて楽しい場面作り、ウルトラマンの技が釣り竿のようになる意外性、しかしそれを使う理由を場面の中で見せる構成の巧みさ・・・・・・
とにかく見ていてて楽しいのだ。
考えてみれば初代ウルトラマンにも純粋に怪獣との格闘に終始した話もあれば、戦闘の中にコミカルな動きを織り交ぜられた話もあった。
SKaRD隊員たちのプロフェッショナルな雰囲気といい、ウルトラマンブレーザーの緩急織り交ぜた戦闘シーンといい、この2話でブレーザーは王道的な作品になることが提示されている。
しかしそこで終わらないのがウルトラマンブレーザー。
ラストで登場するSKaRDの新兵器アースガロンに次回への期待が高まっていく。
それにしてもメタ的な視点となるが、SKaRDの基地内が倉庫のようにシンプルで、車もハイエースなのは番組の予算をアースガロンなどに回したからのだろうか。
悪い意味ではなくて、いかにも急ごしらえで作ったチームという感じで妙なリアリティを感じたのが面白かった。
何がリアリティを感じた理由なのかを考えると、装備は別にしても基地内にあまり現実離れした形の物が置いてないこと。
その方がかえって子供騙しの感じがしなくて個人的には好感が持てた。
この辺りのバランス感覚はさすが田口清隆監督といったところか。