ネコはミカンを片手に夜明けを待つ

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超獣戦隊ライブマン第3、第4話感想 映画好きがお得に見る方法も

第3話 作品情報

超獣戦隊ライブマン
第3話『オブラー悪魔変身』

放送日:1988年3月12日
監督:長石多可男
脚本:曽田博久

登場怪人:ウイルスヅノー

あらすじ

自分の肉体を強化しようとする尾村はウイルスヅノーを使い人体実験を開始する。

それを阻止しようとするライブマンだが、過去の優しい尾村を知る丈は激しく動揺する。

感想

今回までパイロット版で、オブラーやモトマシーン、マシンバッファローといった要素が出そろうエピソード。

同時に、今回は初の丈メインのエピソードになる。

前回までで非道の限りを尽くし、悪役の印象を強烈にしたボルトの3人だが今回は尾村豪の過去が語られる。

泳げないにも関わらず溺れている犬を助けようとした豪。

その姿を覚えている丈は豪を憎むことができない。

この過去を踏まえて1話を見直すと、戦っている丈の心境がまた違ったものに見えてくる。

実験に苦しむ豪を助ける丈だが、豪は丈を欺いていただけで遂に怪人・オブラーに変身する。

この時の豪の変身メイクは恐い。まるで超人機メタルダーのゴッドネロスのようだ。

子どもの頃に見たらトラウマ級だ。

だからこそ丈が感じる「友が引き返せない所に行ってしまった」絶望を視覚的にも感じることができる。

そして、悲しみながら「もう友達でもなんでもねえ!」と叫ぶ西村和彦さんの演技がまたいい。

嶋大輔さんや森恵さんは経験のある俳優さんだが、西村さんもこの時点で高い演技力を持たれている。

序盤からシリアスな展開が続くライブマンだが、作品に重厚さを与えているのは間違いなくキャスティングの良さだ。

他の二人の幹部の過去も今後描かれることになるが、優しい豪の姿が描かれることで彼らを変えてしまったビアスの脅威を想像できる。

前線に出てこないビアスだが、幹部たちの過去と現在を通して物語を支配するビアスの存在感が上手く引き出せている

事件が終わり、「誰も防げやしなかったさ」と丈を励ます勇介。

勇介も葛藤はあるだろうが、無理に希望を持つわけでも悲観するでもなくあるがままに現実を受け入れる台詞に救いを感じる。

今話が初登場となるマシンバッファロー。

確か1990年だと思うが、私が入院した病院で遊んでいた子どもが手にしていた記憶がある。

その時は何のマシンかわからなかったが、後々マシンバッファローを見た時に「これだ」と気づいた。

今思えばあの子どもは私より年上だったから、地元の戦隊ファンの先輩となるのだろうか。

次作のターボレンジャーからは母艦の代わりに基地ロボが登場する。

バトルフィーバーJから続く母艦要素はここで一旦終わり。

一つの要素の最終点となったのも、ライブマンの記念作の側面を表していると思う。

第4話 作品情報

超獣戦隊ライブマン
第4話『暴け!ダミーマン』

放送日:1988年3月19日
監督:山田稔
脚本:曽田博久

登場怪人:デンソーヅノー、ダミーマン1号

あらすじ

ドクター・マゼンダは人間そっくりに作ったダミーマンを使って人間社会を混乱に陥れようとする。

その計画に気づくめぐみだが、デンソーヅノーに捕まってしまう。

感想

前回まで監督を務めた長石多可男監督に代わり、4話と5話は山田稔監督がメガホンを取る。

ジャイアントロボや、初代仮面ライダーからZXまでの全ライダー作品に参加するなど大ベテランの監督だ。

前回の丈に続き、今回はめぐみがメインとなる初エピソード。

同時に、シリアス続きだった作風にコミカルな部分も見られるようになり通常回のはじまりとなった。

めぐみとマゼンダ・仙田ルイとの対立が描かれる。

今作が勇介と月形、めぐみとルイ、丈と豪という関係を軸とした構図であることが見えてくる。

ダミーマンをガス会社の工場に送って笑いガスで社会を混乱させようとする作戦。

一見すると前回までの重い雰囲気とのギャップを感じる。

だが冷静に見て見ると、料理周りの場所で煙がモクモクと上がっている。

描写はないが、笑いで火を止められず火災になった家もあっただろう。

回りくどいようで、じわじわと人間を追いつめる恐ろしさを感じる作戦だ。

ダミーマンに付着した香水の匂いからマゼンダの仕業だと推理するめぐみ。

豪は昔優しい人物であったことが描かれたが、ルイは上から目線で物を見る人物だったようだ。

一方で人間だった頃の香水を今でも使っている姿から、気づいていないようだがマゼンダも過去を振り切っていない印象を受ける。

めぐみはダミーマンの「思いやり」に対する行動からその正体を見抜く。

この時のダミーマンの様子を観察すると、重い荷物を背負って階段を上がる老婆の腕を引いて階段を上がらせている。

荷物を持ってあげることが本当の親切と言うめぐみ。

恐らくダミーマンの行動は、マゼンダが考える「優しい人間がするであろう行動」だ。

親切や思いやりの形は人それぞれなので、少なくてもマゼンダにも優しさを考える心はあったとわかる。

だが老婆は息も絶え絶えになっていた。

めぐみの回想シーンも合わせ、仙田ルイという人の態度からは常に「私がしてあげている」という傲慢さを感じる。

デンソーヅノーに捕まっためぐみを救出するため変装して敵のアジトに乗り込む勇介と丈。

「俺たちのめぐみちゃんを抱っこすんじゃねえ!」という勇介の台詞が軽快でいい。

科学アカデミアの壊滅から勇介たちも少しずつ立ち直っているようだ。

この辺りの勇介の台詞はヒーロー物より、どちらかというと「危ない刑事」などのドラマのノリを感じる。

台詞回しがスタイリッシュでお洒落なのだ。山田稔監督の手腕の賜物だろう。

めぐみを救出しデンソーヅノーを倒すライブマン。

デンソーヅノーは大きな目が特徴的でどことなく可愛い顔をしている。

前回までの頭脳獣が無機質な感じだったので、通常回の開始に上手くマッチしたデザインだと思う。

今回描かれたアクアドルフィンの水中戦闘シーン。

振り返ればこれまでの戦隊メカは空や陸のマシンばかりだった。

せっかくの要素を無駄にせず、きちんと活躍の場を設ける製作陣の配慮が嬉しい。

ロボットの格好良さを引き立たせるのはこういう合体前の演出だと気づく。

戦いが終わりめぐみとコロンが作ったビーフシチューを食べる勇介と丈。

前回まで終わり方がシリアスだっただけに、ようやく明るい雰囲気が感じられ安心する。

この時すでに病に侵されていた山田監督。

第4話は、子どもにわかりやすい画を取ることに長けた山田監督の手腕が存分に活かされた回だった。